デジタルならではの機能が新しい無線の使い方を広げました。
・占有帯域幅:約6kHz
FM 16KHzに対し狭帯域ですが、それを生かした利用が広がってはいない
・(文字)画像が送れる。スローとファーストモードがあり機能の違いがある
スローモード :音声・画像・文字の同時送信が可能、速度は約950bps
ファーストモード:画像に特化した送信、速度は約3480bps スローの約3.5倍
ファーストモードにより画像伝送の活用レベルがUPした
・PC(Windows)、スマホ/タブレット(Android,iOS)プログラムの充実で簡単操作に
・128K bpsの高速通信が可能なDDモードもあるが、対応無線機も限られるので広まって
いない。又ネットワーク知識も必要で技術的なハードルもある
アイコムの対応機ID-1の発売が2004年8月、以降大きな技術仕様のアップデートは無いように見える。デジタル技術の革新が日々進む時代、仕様の古さが感じられる。
<災害時通信における活用>
災害医療通信でD-Starを使用して画像伝送を実施。
4救護所から本部及び4病院への傷病者情報(トリアージリスト)の画像伝送、無線ならではの同報機能が効率的な運用を実現。
当初、RBBSシステムで文字通信を行なったが、非常時の環境化での書き殴り的な手描き文字は読みにくい上、専門的な医療用語は関係者以外には理解がしにくい。さらに日本語入力も専門用語は辞書に無いため変換に手間取って実践的で無かった。画像通信で手描きの傷病者リストを送ることで課題をクリアした。
画像通信に要する時間が課題となったが、ファーストモードによりほぼ時間の課題も解決はされた。伝送する画像の容量にもよるが、現場での許容時間は3分程度までと考える。